異次元緩和で、世の中に出回るお札は3.7倍に増加。
アベノミクスが始まって以来、ここ5年でマネタリーベース(資金供給量)は、470兆円あまりにまで膨らんだ。これは異次元緩和前の3.7倍のお金が、市場に出回っていることになる。その結果、生み出されたのが、富裕層の余裕資金。ジャブついたお金が、日本株などに流れ投資バブルが引き起こされている。わかりやすいところでいうと、日経平均は3倍を超えた。

日銀はETF(ざっくり言うと、株の塊)を「下がったら買う」と公言しているので、大きく下がったら、買われて上がる。それを知っている投資家も買うので、さらに上がる。その結果、劇的に日本株が下がると「買われる」という構図ができあがった。

トランプショックにBETしていたら、1日で10%のパフォーマンス!
たとえばトランプが世界の予想を裏切り、大統領に決まった時。日本株は1000円下落し、1万6111円の値を付けた。これは前日終値から比較すると、何と5.4%の大きな下げ。しかし、何と次の日の日経平均は「+1000円」で全戻し。利に聡い投資家は、「前日の下値で買い」「次の日の高値で売り抜けている」はずだ。これはもし100万円の相場をはっていたら、1日で「5万円以上の利益」を確保できたことになる。その前の、ブリグジットの際も然り。

なお、こうした局面では日経平均と連動して、約2倍の値動きをする「日経レバ」というETFが購入されるケースが多い。その場合、100万円の相場をはっていたら、1日で10万円の利益である。

ただ、こうした「下がったらほぼ上がる」という状況であったとしても、「日々の生活で精一杯」という人がほとんどだと思う。そのため余剰資金はなく、博打性の高い投資になんて怖くてBETできない。私だってそうだ。でも、トランプショックやブリグジットのような時には、参画せざるを得ない。

株式投資、相場の利点は、労働者が資本家に対抗できる、数少ない手段の一つ。
しかし、相場の世界は、「どんなことがあっても、利益を出したものが正しい」という世界。私のような甘っちょろい人間では通用しない。だから、日々の仕事をコツコツと頑張るしかない。

──こうした圧倒的バブル局面を迎えていても、庶民にその分け前はあまりまわってはこない。上の数%が吸い上げている図式は、有史以来ほぼ変わらないからだ。むしろ、近代化が進んだことで、寡占化は緩まっていると思う。ただし、不景気の煽りはしっかりと庶民も食らうのだ。

過去の新聞や媒体などを観ていて「景気が良い」という時代は、実はほぼ皆無といって良い。結局の所、庶民にとって「超不景気」というのが通常運転なのである。これは「良い・悪い」とかではなく、事実ベースのお話。だから頭を常に鍛え、備えておく必要があると思う。