「胡散臭い会社だが、値動きは派手だから何となく」って市場参加者が見ている、仕手株。とにかく値動きが激しいので、デイトレーダーもスイングトレーダーからも注目を集めたりはする。ただし「胡散臭い」笑。だいたい「MSCBを連発」みたいな会社だ。

そんな仕手株みたいな動きを、NYダウも日経もしているってのは、完全に異常事態。通常は20ポイント程度で、40ポイントを付けても「高すぎる」と言われている恐怖指数が3月18日17時時点では75.91ポイント。リーマンショックの89ポイントに肉薄している。下落率だけで見れば、既にリーマンショックを越えている状態。日経平均で言えば2万3000円後半から、一気に1万6000円台後半というジェットコースター状態。これまでの「適温相場」から見るとあり得ない。ちなみに投資会社となったソフトバンクだが、「リーマンショック級の衝撃があっても耐えうる財務体制である」とされているが、それ以上の衝撃が起こっている今、世界中が見守っている相当ホットな銘柄の一つだと思う。

そんな状態に突入しているので、まあ積極的に買いに来る人たちは少ない。かといって、私のような空売り勢もここまで下がれば短期的には起こりうるリターンリバーサルが怖すぎて売り玉も作れない。ただ、こんな中で果敢に買ってくれる人たちがいる。そう、我らが日銀だ。

「これまで年間6兆円買い上げていたETF枠を、12兆円に拡大する」というニュースが14時過ぎ頃に出るやいなや、圧倒的な買いが日経全体に一気に入った。そしてその後、あり得ないほど下げるという状態。言われている理由は「12兆円という数字が現実的ではない」ということ。確かに既に日銀は30兆円程度の株を持っており、さらに年間12兆円は買えないという理屈は当然のこととと言える。

そもそも、日経平均の比重が高い銘柄はすでに国が大株主。たとえばトヨタでもまず11.54%を持っているのが日本トラスティ・サービス信託銀行、そして日本マスタートラスト信託銀行が5.81%を保有している。足すと17.34%(日銀が直接買うのではなく、こうした信託銀行が購入している)という数字。だいたいみんなが知っているような東証一部銘柄は、どこもそんな感じだ。ちなみに、「信託口」と出てきたら、それはGPIF。それらを足していくと、もう既に国はいっぱいいっぱい状態で株を保有していることになる。そして、日銀の出口戦略は描かれていないので、基本的に買った株は持ったままだ。

明確な買い手が不在の中で、こうした日銀オペが入ると、「先物が下げ、現物で日中上げるも、後場の引けに向けて落ちていく」という今の状況がメイキングされる。

そして、日銀はアベノミクスの「異次元緩和」としてスタートしたので、最初は日経平均が安い時に買うことができた。日銀もGPIFも含み益がヤバいことになっていたが、高値になっても「目先で下がったら買う」を続けた結果、大きく逆転。取得平均株価は1万9500円程度となり、現在の含み損は本日明らかになったが(というか周知の事実だったが)2~3兆円程度に。普通に危ない方のヤバい状態だ。

──そんな状況で、日銀が年間12兆円をぶち込んできたら、「岩盤規制にがんじがらめにされた日本は、資本主義を標榜しながらまるで共産主義だ」と揶揄されていた日本、国が企業の支配権を持つことになれば、構造上は晴れて本格的に社会主義状態に突入する。ただまあ、企業に対して日銀が関与することは今の所ないので「物言わぬ株主」というところではあるが。

今回のコロナショックは、前回のリーマンショックと違い「金融危機」発ではなく、実需や実需に対する不安からもたらされている危機。アメリカは107兆円規模というとんでもない財政出動を行うと発表後、爆下げ状態だったNYダウが一気に跳ね上げたが、3月18日の17時現在は、先物は3.94%下げている。もう、4%程度の下げや上げに慣れてしまっているが、「適温相場」の時には超異常事態だった。

そしてこれまでは、バブル状態からリセッションに至る場合、金利アップなど金融引締めを伴うものだったが、今回は世界中が金融緩和を行っていたハイパーバブル状態で起こっている。だから、打ち手が非常に少ない。既に世界中が擦り切れるほどお札を刷ってバラ撒いている状態で起こっているショックだから、人類的にも初のお目見えとなるリセッション入りだと私は思っている。面白い時を生きている。

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